上白糖、大盛りで

特に益はないです

小説の沼模索:ネタ出し

 こんにちは。古川砅です。

 前回のあらすじ:小説っぽいものを生成する方法を紹介しました。

hurukawa-wataru.hatenadiary.jp

 部の人や学祭に来たお客さんに試してもらったところ、手順のプリミティブさが意欲をぐいぐい突くらしく、概ね好評でした。「小説書きは高度な技術を要する」という偏見からか小説体験と紹介してしまうと引く人が割と多かったので、初めの引き込みが今後の課題と思われます。

 前回紹介した手法 (↑) はストーリーを手ずから紡ぐ楽しさを味わうことを重視しています。当然プロット組みは放棄しているため、ある程度まとまった小説を書くには少し使いづらい手法であるという点は否めません。

 この文章が論文的なものであるならば、ここで「ある程度まとまった小説を書くためのシステマティックなハウツー」が提案されるところですが、この文章は論文的なものではないので、別にそういうハウツーが提案されるわけではありません。ない袖は振れません。誰か提案してください。だめですか。

 というわけで今後しばらく「ある程度まとまった小説をなるべくシステマティックに書く」ことを目標に、手法のたたき台を作っていきたいと考えています。今回はネタ出しの方法について考えました。概要をざっくり言うと、マインドマップを煮崩した何かです。

準備物

・大きな白紙 (最低でもB5) 1枚以上

・メモ用紙

・筆記用具

手順

1. 紙の中心に単語を書いて〇で囲みます。今回は「夏」としてみました。

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2. 〇で囲んだ単語を眺めて、何でもよいので連想します。

3. 何か連想したら、眺めていた単語から矢印を引っ張って連想したものを単語で書き留めます。書き留めたら〇で囲みましょう。

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 「夏とラジオ体操にはこれこれこのような関係性があって......」みたいな長くなりそうな話はこの局面においては至極どうでもいいです。閃きを大切にしましょう。

4. 書き加えられるスペースがなくなるまで 2.と 3. を続けます (新しい単語はどの単語から生やしてもよいです) 。f:id:hurukawawataru:20190621005331j:plain

 過程です。

 

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 過程。

 

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 一区切り。

 

5. 書き加えられるスペースがなくなったら、矢印の浅いところから深いところに向けてゼロから順に数字を振っていきます。(下図参照)

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6.  数字を振り終えたら、ゼロ番目の単語から紙の上で一番大きな数字 (この場合だと7) 番目の単語までの道のり色を付けます。(下図参照)

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7. 色をつけた単語の並びを眺めてアイディアや情景が浮かんだらそれをすかさずどこかにメモします。経験上、この手の閃きはものの数秒で霧散しますので、すかさずつかまえることが重要です

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 というわけで、ネタがひとつ釣れました。連鎖が深い道を選ぶのは、体感として連想が活発な領域ほど良い閃きが得られると思われるからです。

 この後はこれを一からやり直したり、色つきの道を別の紙に転写して作業を再開したりして、地道にネタを釣っていきます。釣ったネタをどう小説に活かすか、どのように深めればよいのかといったことについてはまた時間のあるときに書こうと思います。